2011年12月25日日曜日

伊豆大島のひらいた感じが、心地いい


仕事で日本の各地の島をめぐりながら思うのは、
いい意味でもちょっとネガティブにも、
島くらしというのはクローズドな空間だということ。

ふらりと私のような「外」の人間が歩いていると、
島の人たちの視線を痛いほど感じることがあります。
もちろん、一度、会話をしてしまえば、
あとは、心からの思いやりともてなしで受け入れてくれるのですが。



伊豆大島には、それがないな、とふと、思う。
見慣れない顔の人間がいても、気にする気配がまずありません(笑)。

これって、きっと東京の島だからじゃないのでしょうか。

伊豆大島から東京までの距離は100キロちょっと。
ジェットフォイルで1時間45分。
飛行機ならわずか25分の場所に、1300万人が暮らす大都会がある。
島の住民もれっきとした東京都民。
親戚や家族、子供たちが東京で暮らす人たちも多くいらっしゃる。

そんな伊豆大島の環境が、
外にひらかれた空気感のようなものを作っているのじゃないのかな。
で、それが島を訪れた我々には、なんとも居心地がいいのです。

しっかり島時間を満喫しつつ、
ちょうどいい塩梅でほっておいてくれるゆるさ。

東京の島はこうでなくっちゃね。



2011年12月3日土曜日

濃密、Yummyな大島ジャムたち

Yummyとは英語で、「おいしいっ!」という意味のかなりカジュアルな表現。
本来は幼児語ですが、親しい人との間でよく使われます。

伊豆大島の隠れ家リゾート、といえばホテル&リゾート・マシオ。
セレブたちも訪れるというわずか3部屋のみのリトリート。

その、マシオで作っている、知る人ぞ知る伊豆大島の逸品。
それが、絶品のジャム。




4種類あるのですが、中でも私が好きなのが、伊豆大島桜さくらんぼジャム。
伊豆大島には実は、180万本もの山桜が群生しているそう。
ソメイヨシノの原種とされるもので、3月下旬に開花時期はそれはみごとだとか。

その山桜のさくらんぼをひと粒、ひと粒、手摘みをして作ったジャムは、
さわやかな甘酸っぱさが広がり、ちょっとびっくりする美味しさ。
伊豆大島の優良特産品に認定されたのも、納得です。

そして、もうひとつ絶品なのが、塩牛乳ジャム。

大島で飼育された乳牛のミルクと、大島産の塩「海の精」を使ったジャムは、
ジャムというには濃厚で、思わず、Yummmmmy!と叫びたい美味さ。

このほか、島とうがらし牛乳ジャム、明日葉牛乳ジャムといった変わり種も。
パン食派ならぜひ、トライ。

大島のお土産にぜひ、お薦めしたい絶品ジャムたちです。




2011年11月6日日曜日

伊豆大島の空の下、オペラ「椿姫」が響きわたる

伊豆大島の名産、といえばご存じ、椿。

ということで、実はオペラ「椿姫」が毎年、開催されています。
それも、なんと屋外上演。




先日、その第七回目のオペラが開催。
場所は、リス村の広大な芝生の広場。それまで降っていた雨があがり開放感たっぷり。
残念ながら、その先に見えるはずの富士山は見えなかったけれど。


観客はみな、芝生にシートを敷いての鑑賞。
このオペラ、実は無料なんです。
観に来られている方も地元の方が中心で、今年は200名ほど。
さらに、この日にかぎりリス村の入園料800円も無料!
すごいなぁ。
キャンプ場もそうだし、運動場もそう。
動物園だって無料。
伊豆大島って、無料の施設、サービスが多い。
というか、多すぎ(笑)。


せっかくのオペラなので、私が持参したのはタータンチェック柄のシートに、
いただきものの赤ワインと、ワイングラス。
プラスチックじゃなく、本物です。
これで、気分がぐんと上がります。




「乾杯の歌」が始まり、「椿姫」が開演。

透き通ったオペレッタの声が伊豆大島の空に響き、
彼らの脇を秋の風が抜ける。

前には日傘をさしたおばあちゃん。
横の芝生では子供たちがころげまわっている。
水平線には行き交う客船。

とってものどかでカジュアルだけれど、芸術に触れる知的な喜びに心が震える。




今年で7回目となる、このオペラ。
伊豆大島でピュアな椿油を製造する「株式会社 椿」が主催。音楽を愛する社長のもと、スタッフ総出でこのイベントを支えています。


来年は、シャンパンを持ってこよう。
それに、音楽やイベント好きな友人たちも誘おう。


きらきらときらめく秋の週末の島オペラ。
ちょっと贅沢で、リラックスする心の栄養です。



2011年10月23日日曜日

ロンリープラネットマガジン韓国、伊豆大島を満喫!


韓国で発売されている旅雑誌「ロンリープラネットマガジン韓国」で伊豆大島が特集されました。

実は編集長とフェイスブックのお友達で、
「伊豆大島っていうと~ってもおもしろい島があるんだけど、取材しない?」
と甘い言葉をささやいたところ、
「震災後の日本を応援する意味もあり、日本企画を考えていました」
と真面目な編集長らしい回答をいただき。

さっそく、東海汽船のアウトドア&ディズニー大好きなYさんに相談。
会社として取材チームをサポートしてくれることを快諾してくれたのでした。



取材チームは女性編集者と男性カメラマン。
このあたりは日本と一緒。

わずか2泊の滞在でしたが、
伊豆大島の頼れるアクティビティ会社、グローバルネイチャークラブさんの体験ダイビングと、三原山トレッキングのエコツアーに参加。
トレッキングは、私も東京での仕事を切り上げて参加。
前日まで台風だったとは思えない、びっくりするほどの晴天の中、三原山の火口を歩く。
島きっての動物&ネイチャー好きの森林インストラクターNさんが熱心に、取材チームに伊豆大島の自然環境について教えてくれます。




う~ん、最高に気持ちいい。


トレッキングの後は、温泉に入り、
宿泊先の大島温泉ホテルでの夕食。
やっぱり、ここはアシタバの天ぷらと、ホテル名物のキンメのしゃぶしゃぶを味わってもらわないとね。
カメラマンは浴衣姿で撮影。



今回、取材班が心から楽しんでいる姿を見ていたら、
もっともっと、伊豆大島の魅力をたくさんの人に知ってもらいたいなぁ、と思う。
世界中のさまざまな場所へ取材で訪れる彼らを満足させ、楽しませてくれた伊豆大島。


やっぱり、ここはなかなかの場所だと。
私は思うわけです。


2011年10月2日日曜日

伊豆大島のアシタバは甘い

「アシタバって、響きがステキ」

先日、韓国からの旅雑誌の取材チームのコーディネートを伊豆大島でした際、
明日葉(あしたば)について教えてあげたときに、編集女子がこうつぶやいた。

伊豆諸島に自生する明日葉は、伊豆大島の名産。
明日葉の天ぷらや、おひたし、チャーハン。
そば、ソフトクリームなんていうのもある。

食べたことがない人もいると思いますが、
味はホウレンソウとセリを組み合わせて、ほんの少し香草の風味を加えた感じ(笑)。
セリ科なので、香りがたちます。

「苦い」というイメージがありますが、伊豆大島の明日葉は「赤茎」と呼ばれるもので、
苦味が少なく、清涼感ある甘味が特徴。

だから、揚げ物、炒めもの、煮物などいろいろな料理に取り入れても違和感なく、美味しくいただけます。

明日葉の植生に関しては、こちらをごらんください。


東京ではスーパーでもまず見かけないし、ましてや明日葉料理を出す店も限られています。

だから、明日葉がメニュー出てくると、
「お、大島にいるんだな」とニヤッとしちゃいます。

まだまだ、大島の明日葉料理を極めているわけではありませんが、
現在の、お薦めツートップこちら。

まずは、大島温泉ホテルの夕食の定番メニュー。
明日葉の天ぷら。



金目鯛のしゃぶしゃぶコースの中の一品ですが、
このサックリと軽く揚がった明日葉と生ビールでまず、乾杯!
衣が控えめなので、明日葉、本来の甘み、苦味が味わえるのがここの特徴。
サクサクっと、大島産の塩でいただくのが好きです。




そして、愛らんどセンター御神火温泉内の喫茶コーナーにある、明日葉入りのピリ辛冷やし中華!
つるんとした麺のコシと、ネギ、豚肉、そして明日葉をピリ辛のタレでまぜこんだトッピングにコクのあるスープが絶妙にからみあって実に美味しい!

夏限定らしいのですが、これにまたまた生ビールの組み合わせが最高!
温泉後のほてった体で、いただくのもオツなもので、個人的にぜひ、通年メニューにしてもらいたい味です。


伊豆大島に来たら、ぜひご堪能あれ!



2011年9月17日土曜日

ココロに島を。


真夏日の東京都内で忙しくスケジュールをこなしている、ふと瞬間。
あ、今頃、大島はどんなだろう。
そう思うことがあります。

それは、単純に遊びに行った場所への記憶の揺り戻しではなく、
次回はいつ行けるのだろう、といったレジャー客の憧憬でもない。

たとえて言うのならば、離れている故郷を思うような気持ち。




思えば、東京生まれの私は故郷というものを実感したことがありません。
友人たちがお盆や年明けに「大変だよぉ」と言いながらも、
どこかはずんだ表情でふるさとへ帰る姿を、
羨ましいのとは少し異なる、なんとなく不思議な思いで見ていました。

伊豆大島に来ることが増え、
島のあれこれが少しずつわかってくるにつれて、
ふるさとへ帰る友人たちの気持ちがなんとなくわかったように思えてきました。

大島で生まれ、都心で暮らす人たちも私と同じような思いなのだろうか。
今は島にいる子供たちも、
東京に出たら、同じように思うのかな。


ちょっと弱気になった自分がいるとき。
ふらっと行ける懐かしい場所がある。
それだけで、もう少しがんばってみようかな、と元気になります。


東京に島がある、それを発見したら、
ものすごく、ココロの芯が豊かになったように思います。



2011年9月9日金曜日

ニューヨーカーの「がんばれ! 日本」


東京アイランダーとして、大島ナビのSさんに誘われて伊豆大島へ。
自称、晴れオンナなのですが、今回は別ミッションで同行のイケメンズ2名が嵐を呼ぶタイプだったようで、終日、天気悪し。。。
裏砂漠も完全なホワイトアウト状態で、な~んにも見えない。

そんな中、あちらこちらと伊豆大島を移動しながら視察、
立ち寄ったのがトウシキキャンプ場。
島の南端、波浮港に近い海沿いの絶景のキャンプ場ですが、これがなんと無料。
トイレ、シャワー、かまどなども揃っているのに無料。
芝生の敷地は広く、しかも、目の前はみごとな水平線。
なのに無料(しつこい)。
背後には三原山の雄姿が見える(らしいです)。

前の晩は暴風雨のようで、まさか誰もキャンプなんてしていないだろう、
と思っていたら。


いました。


それも、外国の方(カップルです)!


カップラーメンでランチ中のところ、声をかけてみたらニューヨークから来たとのこと。
伊豆大島はガイドブックのロンプラ(ロンリープラネット)に掲載されていたので選んだそう。そして東京都が出している英語のブックレットを参考にいらっしゃったそうです。
へ~。

震災後のこんな時期に観光で来てくれたことのお礼を伝えると、「気にしていません。それよりも、日本の復興を心から応援しています」



ふたりの腕には「がんばれ!日本」のリストバンド。
ニューヨークでも募金活動を行っているとも、教えてくれました。

「伊豆大島は、素朴でみんな親切ですばらしい。
昨晩はものすごい雨だったけれどトウシキキャンプ場も快適だよ」

明るく笑顔で話してくれるふたり。
伊豆大島に数日滞在した後は、京都を訪問して、富士登山にもチャレンジするそう。


こんなふうに外国の観光客のみなさんが日本に来てくれること。
伊豆大島を選んでくれたこと。
それが、どんなに私たちのはげみになることか。
彼らとの出会いで、あらためて実感しました。




来てくれてありがとうございます。
どうぞ、日本を楽しんで滞在してください!

2011年9月3日土曜日

Vol.1 陸TOKYOと海TOKYOをつなぎたい。そして、世界とも


はじめまして。
トラベルジャーナリストの寺田直子と申します。

ご縁があって、今回からこちらで旅ブログを始めることになりました。
タイトルは「東京アイランダー気分で」。

江戸っ子ではないですが、東京生まれ、東京育ちのわたし。
大好きな東京の魅力をいろんな方にもっと知ってもらいたいなぁ、と思いつつ、あちらこちらをふらふらと探索。
そんな中で、出会ったのが伊豆大島。
さらに、縁あって大島ナビのスタッフのみなさんと出会い、伊豆大島の素顔をブログでお伝えすることになりました。

東京に島がある。
意外に知らない方がいらっしゃるかもしれません。
船でほんの1時間45分でたどり着ける、ということも。
でも、そんな身近な伊豆大島ですが、
一歩、島に足をおろせば濃密な山の気配と、圧倒的な存在感の海岸線に彩られたネイチャー度。そして、の~んびりとしたアイランダー(島人)が暮らすゆるやかさ。

世界屈指のメトロポリタン東京に寄り添う、伊豆大島の、驚くほどのどかな島時間。
それは、わたしのような東京生まれにとっては心から誇れる故郷の奥深さであり、東京に暮らす人には新鮮な表情にうつるはず。

ということで、本日から東京アイランダーを宣言!
東京と伊豆大島をいったり、きたり。
あ、職業柄、ときには海外も。
ゆる~い感じでなんとなく心にとまった島のあれこれをつづっていきます。


どうぞよろしくお願いします。